ARTICLES

Mac でも Linux でも動く高性能スプレッドシートコンポーネント — ReoGrid V5 Avalonia 対応版リリース

reogridspreadsheet.netavaloniacross-platformrelease
2026年8月25日·UNVELL Inc.
Mac でも Linux でも動く高性能スプレッドシートコンポーネント — ReoGrid V5 Avalonia 対応版リリース

UNVELL株式会社は、.NET向けスプレッドシートコンポーネント ReoGrid V5Avalonia 対応版をリリースしました。

同じコード、同じ .NET プロジェクトが、Windows でも macOS でも Linux でもそのまま動きます。

この記事の一番上に置いた画像を見てください。チェックボックス、ドロップダウン、進捗バー、スパークライン、リンク、ボタン — Excel ライクなセル型が並んだこのグリッドは、macOS 上で ReoGrid が描画した実物です。Windows で撮ったものを流用したわけではなく、Apple Silicon の Mac で dotnet run して出力しました。

ReoGrid V5 の Avalonia 版は、ReoGrid V5 のコアエンジンをそのまま利用する形で作られているため、V5 の良さをそのまま継承しています。V5 本体のリリースについては、ReoGrid V5 リリース — 完全仮想化を設計の一行目に。100万行が「普通のデータ」になるをご参考ください。


現場は、すでに Windows の外へ広がっています

ここ数年で、業務アプリケーションを取り巻く環境は静かに変わりました。

  • 開発者の手元が Mac になった。 業務システムを作るチームでも、開発機は MacBook というケースが当たり前になりました。
  • Linux デスクトップが業務に入ってきた。 官公庁や教育機関の脱Windows、製造ラインや医療機器の組み込み端末、コスト最適化を進める大規模拠点。
  • サーバー側は Linux が前提。 帳票を PDF で生成する処理は、コンテナの中で完結させたい。

その一方で、「Excel ライクな画面」を必要とする業務は、これまでどおり存在し続けています。表計算の UI は、Windows デスクトップだけの要件ではなくなりました。

ReoGrid V5 の Avalonia 対応は、この変化にまっすぐ応えるものです。


クロスプラットフォームでありながら、超高性能

上述のように Avalonia 版も V5 と同じコアであるため、V5 の核である完全仮想化がそのまま効きます。速さを生んでいるのはエンジンであり、そのエンジンは3つのOSで共通です。

  • データが10万行でも100万行でも、1画面の描画は同じ約6.5ミリ秒。 処理量を決めるのはデータ量ではなく、いま見えている範囲だけです。60fps を保つための1フレーム16.7ミリ秒の中に収まります。
  • 画面1枚ぶんのセルの読み取りは30.4マイクロ秒、読み取り経路のメモリ確保は0バイト。 従来設計(ReoGrid V4)の95.4マイクロ秒・90.8バイトに対して、時間で3.1倍、確保メモリで78.8倍の差です。スクロールバーを端まで放り投げるように動かしても、指の動きにそのまま追従します。
  • 1,000万セルを保持して1セルあたり16.4バイト、156MB。 従来設計の298.2バイト・2.78GB に対して18.2倍。ノートPCのメモリに余裕をもって収まります。

メモリと読み取りの数値は AMD Ryzen 9 9900X / Windows 11 / .NET 10.0.10 / Workstation GC・3回計測の中央値、1フレームの描画は Apple M4 Pro / macOS / Avalonia + Skia・200回描画の中央値(いずれも 2026-08-25 実測)です。エンジンは3つのOSで同一のものを使うため、この設計特性がそのまま Mac と Linux にも効きます。計測の全項目と条件はV5 リリース記事に掲載しています。

「クロスプラットフォーム対応版だから、性能は少し落ちる」— そうした割り切りとは無縁です。


日本語入力も、Mac と Linux で動きます

日本の業務アプリケーションにとって、ここは必須の条件です。

Avalonia 版のセルエディタは、Avalonia の入力メソッド機構に対応しています。セルを編集して日本語を入力すると、変換中の候補ウィンドウがキャレットの位置に追従します。macOS の日本語入力でも、Linux の Fcitx/IBus でも同じ挙動です。

グリッド側も、非編集セルの上で日本語入力を始めた瞬間にその場でエディタを開きます。Excel と同じ、「セルを選んで、そのまま打ち始める」操作感が、3つのOSで揃っています。

キーボードショートカットも同様です。コピー・切り取り・貼り付けは、Windows と Linux では Ctrl、macOS では Cmd と、それぞれのOSの作法に従います。


1つの DLL、1本のライセンス

導入の形は、他のプラットフォームと同じシンプルさです。

dotnet add package unvell.ReoGrid.One.Avalonia
項目内容
パッケージunvell.ReoGrid.One.Avalonia 5.0.0
ターゲットnet10.0(Windows / macOS / Linux)
Avalonia11.3.17
中身コアエンジン・数式エンジン・XLSX/PDF 入出力・Avalonia コントロールを含む単一の自己完結DLL
NuGet 依存Avalonia の1つのみ

Avalonia への参照を持つのは、コントロールが利用側と同じ Avalonia にバインドする必要があるためです。それ以外の依存はゼロで、XLSX も PDF も外部ライブラリなしで読み書きします。

ライセンスは1本で、WinForms / WPF / Avalonia / ヘッドレスのすべてをカバーします。 プラットフォームが増えても、ライセンスは1本のままです。V4 用に発行済みのキーも、そのまま Avalonia 版で通ります。


PDF 出力も、Mac と Linux で日本語のまま

Avalonia 版でも、PDF 出力は依存ライブラリゼロで動きます。日本語フォントを内蔵して埋め込むため、macOS でも Linux でも、システムに何をインストールした状態でも、同じ日本語 PDF が出力されます。出力後のテキストは検索とコピーが可能です。

用紙サイズ、余白、拡大縮小、ページに合わせる設定、印刷タイトルの繰り返し、Excel の &P &D 形式のヘッダー/フッターも、Windows 版と同じページ分割エンジンを共有します。Windows で作った帳票レイアウトが、Linux のコンテナの中でそのまま再現されます。


現時点の対応範囲

Avalonia 版で、すでに以下が動きます。

セルの編集(日本語IME対応)・選択・キーボード操作/行列の挿入削除・サイズ変更・AutoFit/セルの書式(フォント・色・配置・罫線・数値書式・結合・テキスト回転・インデント)/条件付き書式のフルセット(アイコンセット含む)/セル型6種(チェックボックス・ドロップダウン・進捗バー・ボタン・リンク・スパークライン)/数式エンジン(約85関数・クロスシート参照・定義名)/Undo / Redo(Ctrl+Z・Ctrl+Y)/クリップボード(Excel と相互運用可能な TSV/HTML)/オートフィル/データの入力規則/シート保護/検索・置換/フリーズ枠/アウトライン/交互行スタイル/ズーム(Ctrl+ホイールで10〜400%)/画像の表示/XLSX・PDF・JSON・CSV の入出力。

WinForms 版・WPF 版が先行しているものもあります。

  • オートフィルタのドロップダウン UI、並べ替え・カスタムフィルタのダイアログ、検索/置換のダイアログ — 機能そのものは3つのコントロール共通の API として提供済みで、ホスト側から呼び出せます。組み込みのダイアログ UI は Avalonia 版へ順次展開します。
  • プリンタへの直接出力 — Windows 版が対応しています。macOS / Linux では PDF 出力を経由してください。

現時点でご検討中の要件について、対応状況を個別にご案内いたします。お気軽にお問い合わせください。


10年以上の実績を、3つのOSへ

ReoGrid は2014年の登場以来、日本・アメリカ・ドイツを含む12カ国以上のプロジェクトで採用され、NuGet 経由の累計ダウンロードは 180,000件を超えました。金融システムのように信頼性が重視される領域での導入実績もあります。

その10年分の作り込み — Excel 互換の数式と書式、大規模データを扱う設計、日本語環境への配慮 — が、そのまま Mac と Linux へ渡ります。新しいプラットフォームでも、これまで使ってきた製品をそのまま使い続けられます。

ReoGrid は日本国において登録商標です(登録第7052809号)。


まずは、お手元の Mac で動かしてみてください

評価版はそのまま起動して動作します。 Mac でも Linux でも、dotnet add package の1行から始められます。

V5 の中核である完全仮想化の設計については、ReoGrid V5 リリース — 完全仮想化を設計の一行目に。100万行が「普通のデータ」になるもあわせてご覧ください。